万葉歌人のひとり 山部赤人に「わかの浦に 潮満ちくれば 潟をなみ 葦辺をさして 鶴鳴き渡る」と詠われた「和歌の浦」。
2017年に日本遺産「絶景の宝庫 和歌の浦」として認定された構成文化財のひとつ、「紀三井寺」こと「金剛宝寺護国院」からの眺めを紹介します。
紀三井寺の境内から「和歌の浦」をのぞめる場所は、「結縁厄除坂」をのぼりきって左手へと進んだ場所にある「大樟龍王社」の奥です。
見晴らし台へと続く通路は「霊木大樟樹ご結縁通路」と名づけられており、実際にクスノキの木肌に触れることができます。
間近からクスノキを見あげてみました。なんとも立派なたたずまい。
1984年時点で樹冠の広さが約700㎡あり、和歌の浦方面からも見ることができるそうです。
クスノキの奥へと進むと、和歌山市内と和歌の浦の絶景が視界いっぱいに広がります。
曇り空だったのが残念ですが、晴れていればもっと素敵な景色を見ることができそうです。
見晴らし台から本堂へと向かう途中には、素敵な手水舎があります。
現在の手水舎は、開創1250年を記念して、2023年に改修されたものです。
手水舎の上に表示があるように、紀三井寺三井水「吉祥水」「清浄水」「楊柳水」の功徳が祈りこめられているそう(流出するのは水道水)。
出水口は蓮の葉を模したモチーフになっていて、なんとも珍しいつくりです。これは好き。
本堂でお参り前に、紀三井寺をお守りされている総鎮守「三社権現社」へと続く石段へと足を進めます。
こちらの美しい参道は、2020年に三社権現社殿と同時に改修されたものです。
三社権現社には、向かって左から「白山妙利権現」「熊野三所権現」「金剛蔵王権現」が祀られています。
さらに三社権現社の左側には、「春子稲荷社」があります。
白狐の姿となって紀三井寺を紀州征伐の戦火から救ったとされる春子を、災難除けの守り神として祀る稲荷社です。
春子稲荷社の前には、緋袴をまとった春子と白狐の像を見ることができます。
白狐に身を変えた春子は敵陣へとむかい、羽柴秀長に紀三井寺の焼き討ちを禁じる書状を出させたのだそう。
春子稲荷社と三社権現社の下には、春子稲荷伝説を伝える壁画を見ることができます。
漆喰で盛り上げる和式のレリーフ 鏝絵(こてえ)の手法でつくられた、見事なものです。
参拝された折には、ぜひじっくりと観ることをお勧めします。
壁画の手前には、昔話風の物語が数枚のパネルで展示されています。
絵本になっても良さそうな内容なので、時間がある方はぜひ読んでみてください。
春子稲荷社の隣には、朱塗りも鮮やかな「多宝塔」を見ることができます。
室町時代に建立されたもので、境内では最古の本瓦葺三間多宝塔になるそうです。
本堂前の参道のかたわらには、立派な「仏足石」もありました。
仏足石とは、お釈迦さまの足形を刻んだ石のことで、仏像ができるまでは仏足石が礼拝の対象となっていたのだとか。
刻まれている模様の中央、丸い法輪は、お釈迦さまの教えを表わしているそうです。
仏足の向かいには、池に囲まれた舞台の上に、如意輪観世音菩薩が祀られていました。
次回、紀三井寺の紹介の最後は、本堂、西国三十三所の本尊の絵が祀られた「大願洞」などを紹介します。
基本データ 名称:救世観音宗総本山 紀三井山 金剛宝寺護国院 (紀三井寺) 住所:和歌山県和歌山市紀三井寺1201 時間: (本堂 納経・御朱印受付時間)午前8時~午後5時 (仏殿 3階展望回廊登楼時間)午前8時半~午後4時半 (ケーブル運行時間)午前8時半~午後4時半 ※2月頃、年次定期点検のため、3日間連続で運休 参拝料: ※除夜から正月三が日、8月9日は別料金 (徒歩参拝者)無料 ※参拝料が発生する場合は開始一年前に告知 (ケーブル往路利用者) 一般400円/小中学生・70歳以上200円 ※参拝料無料者の設定有 (山上駐車場利用者) 一般400円/小中学生・70歳以上200円 ケーブル料金(片道): ※除夜から正月三が日、8月9日は別料金 一般200円/小中学生・70歳以上100円 ※無料者の設定有 駐車料金(2時間): ※観桜期、正月三が日、8月9日は別料金 ※ジャンボタクシー、マイクロバス、中型バスは別料金 (山上駐車場)普通車・軽300円 (北門前駐車場)普通車・軽300円 電話:073-444-1002 |

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