JR佐賀駅南口から南南東方向へ徒歩25分ほどの場所にある、「長崎街道 柳町 美観形成地区」。
この場所には、いくつかの歴史的建造物が立ち並び、一部の建物は「佐賀市歴史民俗館」として公開されています。
2026年5月現在、「佐賀市歴史民俗館」の名を冠しているのは、1997年に開館した「旧古賀銀行」「旧古賀家」「旧牛島家」、2000年に開館した「旧三省銀行」「旧福田家」、2016年に開館した「旧森永家」「旧久富家」の7館です。
今回はこの内、「旧古賀銀行」「旧古賀家」「旧牛島家」を2回に分けて紹介します。
そもそも「長崎街道」とは、江戸時代に整えられた街道のひとつです。現在の福岡県北九州市小倉を起点に、長崎県長崎市まで約230kmの道程があります。
鎖国が行われていた江戸時代おいて、唯一外国との交易を行える長崎の出島へと続く街道だったため、非常に重視されていたようです。
さらに、外国との貿易の窓口であった長崎と小倉を結ぶ長崎街道沿いには、砂糖や外国由来の菓子が流入し、独自の食文化が花開いたのだそう。
「長崎カステラ」や「逸口香(いっこうこう)」「小城(おぎ)羊羹」「丸芳露(まるぼうろ)」などは、九州の物産展でもよく目にします。
それでは、美観地区の看板のすぐ横から長崎街道(柳町通り)へと入ります。
街道に入ってしばらく進むと、右側に「佐賀市歴史民俗館 専用駐車場」がありました。20台ほどが駐車できるようです。
さらに、少し離れた場所にある「旧福田家」のすぐ側にも、専用駐車場があります。
駐車場からさらに東へと進むと、左手に洋風の建物が見えてきました。「旧古賀銀行」です。
「古賀銀行」は、1885年に設立された銀行です。
1913年には資本金を増額して九州5大銀行のひとつとなり、順調な経営を続けていたのだとか。しかし、1920年の大恐慌以後慢性的な不況が続き、1926年に取り付け騒ぎが勃発し帳簿整理のために休業、最終的に1933年に解散したのだそう。
現存する建物は1906年に新築、1916年に西側へ大きく増築されたものなのだとか。
外壁が、漆喰から煉瓦のタイル張りに変更されたのも、増築時だと言われています。
中に入ると、大正ロマンの雰囲気が漂うフロアが広がっていました。
今年(2026年)2月中旬から3月中旬に行われていた「第26回佐賀城下ひなまつり」では、この場所に立派な雛壇が飾られ、つるし雛が吹き抜け一面を覆っていたようです。見てみたかった。
奥には、レストラン&カフェ「浪漫座」さんがあります。
浪漫座さんでは、ケーキなどのカフェメニューや、オムライスやシシリアンライスなどのランチメニューが提供されています。
ただし、貸し切り営業が多いため、訪れる際は佐賀市歴史民俗館の公式ホームページで、事前の確認がお勧めです。
シックな雰囲気の階段で、2階へと進みます。
階段をのぼりきってすぐ左手の部屋では、佐賀から広がったという「葉隠」について展示されていました。
2018年に開催された「肥前さが幕末維新博覧会」のテーマ館のひとつ「葉隠みらい館」の一部が、「維新博メモリアル展示 葉隠」として旧古賀銀行に移設されたものです。
「武士道といふは、死ぬ事と見つけたり」という言葉で知られている「葉隠」ですが、そもそも「葉隠」とは生きるための哲学なのだとか。
葉隠の口述者は山本常朝(じょうちょう)、筆録者は田代陣基(つらもと)。この二人に加え、常朝が教えを受けた石田一鼎(いってい)と湛然(たんねん)和尚の四人が、「葉隠の四哲」と呼ばれているそう。
「葉隠」の名の由来は、「この書物が書かれたのが山里の木の葉隠れの草庵であったことから」とも「内容が、佐賀藩の武士たちの心得として人目に立たない『陰の奉公』を説いているから」とも言われています。
全11巻からなり、内容は歴史、哲学、倫理、教養、説話など多岐に渡っているそうです。教えの数は、なんと1000を超えているのだとか。
多くの著名人も「葉隠」について言及し、また葉隠に通じる言葉を残しているそう。
展示室内には、「ディスカバー my HAGAKURE」というコーナーがありました。
6つのテーマの中から関心が高いものをひとつ選び、順番に引き出しを開けて、そこにある設問に答えていく仕組みになっています。
最後の引き出しでたどりついた番号と同じ番号の棚から「my HAGAKURE」を1枚取り、持ち帰ることができます。
もうひとつの部屋は、重厚な雰囲気がただよう応接室のようなつくりになっていました。
この場所には、葉隠の口述者である山本常朝が「武士の理想像」とした、鍋島直茂公の遺訓を見ることができます。葉隠の原点「直茂公御壁書」です。
御壁書には、上に立つ者の心得と人としての生き方の基本が述べられており、歴代の藩主たちに受け継がれてきたそうです。
大正時代に建てられた風情のある建物と、「葉隠」について学ぶことができる「旧古賀銀行」。
次はぜひ、ひなまつりの時期に訪れてみたいものです。
基本データ 名称:佐賀市歴史民俗館 住所: (旧古賀銀行)佐賀県佐賀市柳町2-9 (旧古賀家)佐賀県佐賀市柳町3−15 (旧牛島家)佐賀県佐賀市柳町4−4−9 営業時間:午前9時~午後5時 ※最終入館午後4時半 入館料:無料 ※ひなまつり期間中は有料となる館有 休館日:月曜日 ※祝日の場合は火曜日休館 祝日の翌日 ※土日の場合は開館 12月29日~1月3日 ※年によって変更有 特別整理期間 電話:0952-22-6849 基本データ 名称:浪漫座 住所:佐賀市柳町2番9号 佐賀市歴史民俗館 旧古賀銀行内 営業時間: (喫茶)午前10時~午後5時 ※LO午後4時半 (食事)午前11時半~午後2時半 ※LO午後2時 店休日:佐賀市歴史民俗館の休館日と同じ 貸し切り営業有 ※佐賀市歴史民俗館 公式ホームページにて要確認 電話:0952-24-4883 |

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