今回は「橿原考古学研究所附属博物館」で、昨年(2025年)11月末まで開催されていた秋季特別展「きらびやかに送る-国宝・藤ノ木古墳出土品修理事業成果展1-」と、常設展の一部を紹介します。
「藤ノ木古墳」は、奈良県生駒郡斑鳩町にある、6世紀後葉の大型円墳です。
1985年に行われた第1次調査で、未盗掘の石棺や馬具、武器・武具、須恵器などが出土したそう。その後、第2次調査、第3次調査と続き、2004年に国宝に指定されました。
2021年から国宝の再修理が行われており、2025年度で第1期が完了する予定です。
展示室の中央には、装身具をまとった被葬者の姿が再現されていました。
色まで再現されると、なんともきらびやかな雰囲気です。
すぐ横には、装飾太刀、装飾剣の復元品も展示されていました。これは豪華!
復元には、刀匠や鞘師、白銀師の方も関わっていらっしゃるそうです。
金襴豪華なこちらは、頭上に取り付けたと考えられている、「金銅製筒形品」の復元品です。
南側被葬者の頭部付近から発見されたのだそう。
出土した時の状況です。盗掘されていなかったとはいえ、石室の内部には土砂の流入があり、さらには石棺内には水が溜まっていたのだとか。
しかし、そのことが金属だけでなく、複数の素材からなる遺物本来の状態を保つ要因になったと推測されているようです。
そしてこちら左側がX線による写真、右側が国宝「金銅製筒形品」です。
さらに、国宝「金銅製履」、国宝「金銅製冠」も展示されていました。
展示されていたのはこれだけではなく、石室内や石棺内の写真や、国宝「神獣鏡」なども観ることができました。大満足。
ここからは、第1展示室~第3展示室の紹介です。
第1展示室が「旧石器時代、縄文時代、弥生時代」、第2展示室が「古墳時代」、第3展示室が「飛鳥・奈良時代、平安~室町時代」という構成になっています。
第1展示室「旧石器時代、縄文時代、弥生時代」で特に興味深かったのは、「銅鐸」に関する展示です。
分布や製造方法などがパネル展示されていて、見応えがあります。
ヤマト王権成立の地、「纏向(まきむく)遺跡」のパネルと出土品の展示です。
「纏向遺跡」は、桜井市にある大規模な集落の遺跡で、邪馬台国東の候補地としても知られています。代表的な「箸墓古墳」「ホケノ山古墳」は、名前を知っている人も多いのではないでしょうか。
第2展示室「古墳時代」の手前には、「ホケノ山古墳中心埋葬施設 想定復元模型」が展示されていました。
第2展示室に入ると、ズラリと並んだ大型の展示物に、思わず息を飲みました。
桜井市南部の丘陵にある、長さ236メートルの大型前方後円墳「メスリ山古墳」から出土した、大型埴輪です。
埋葬の中心となる墳丘の頂上部は、円筒・朝顔形埴輪や器財埴輪・家形埴輪が方形に取り囲んでいたそう。これらは、葬られた人を守るための意味が強いのだとか。
5世紀後半になると、人物と動物の埴輪が加わります。
これらは、葬送と引継ぎの儀礼が行われた様子を再現しているそうです。
第3展示室「飛鳥・奈良時代、平安~室町時代」では、明日香村岡にある宮殿遺跡「飛鳥宮」などに関する展示を観ることができます。
飛鳥宮は、同じ場所で「Ⅰ期(舒明朝頃)」「Ⅱ期(皇極朝頃)」「Ⅲ期(斉明~持統天皇)」3期の宮殿遺構が見つかっているそう。
こちらでは、上層の宮殿遺構の復元模型が展示されています。木簡の出土や発掘調査の進展により、天武天皇と持統天皇の「飛鳥浄御原宮」であることが、ほぼ確定したそうです。
なお、こちらの模型は1997年に作成されたもので、その後の調査結果はイラストで示されていました。
長年行われてきた発掘調査の展示公開が行われている、「奈良県立橿原考古学研究所附属博物館」。
人によって興味の有る無しはあると思いますが、個人的にはかなり刺さる内容でした。今回は駆け足で鑑賞したので、また次はゆっくりと見学しに行きたいと思います。
基本データ 名称:奈良県立橿原考古学研究所附属博物館 住所:奈良県橿原市畝傍町50-2 営業時間:午前11時~午後10時 ※LO午後9時15分 入館料:一般400円/高校生・大学生300円 小・中学生200円 ※特別展開催中は料金が異なる 休館日:月曜日 ※祝日の場合は火曜日 年末年始(12月28日~1月4日) ※臨時休館日有 電話:0744-24-1185 |

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