東から昇る朝日が美しい、鳥取県にある東郷池。
今回は、池北端の東側に位置する、伯耆一ノ宮「倭文(しとり)神社」の紹介です。
創立当時、この地方の主産業が倭文(しずおり)の織物であったことから、倭文神社では倭文部の祖神である「建葉槌命」が主神として祀られています。
さらに、この地方と関係の深い「下照姫命」と、大国主命の御子神または関係の深い五柱の神々が祀られているのだそう。
古くより安産の神様として親しまれている神社で、戌の日になると安産祈願の方で賑わうの神社なのだとか。
場所は、東郷池を見渡せる「出雲山展望台」から、車で5分ほど登った御冠(みかむり)山の中腹にあります。
神社の手前に、無料駐車場がありました。可能であれば自家用車、またはタクシーの利用がお勧めです(公共交通機関は、かなり歩く必要があります)。
車を停めて左手へと進むと、突きあたりに境内への入口が見えてきました。
木々が枝を伸ばし、その間から太陽の光が射しこみます。そんな静けさが漂う中を、石の階段をのぼって先へと進みました。
石段の横にはスロープが設置されていて、ベビーカーなどでもお参りしやすそうです。
鳥居と狛犬、そして神門が見えてきました。
神門の彫刻は緻密に刻まれており、思わず見惚れてしまうような精巧さです。
神門から奥に進むと、右手に国指定史跡「伯耆一ノ宮経塚」へと続く参道の入口がありました。
古くから、倭文神社の御祭神の一柱であらせられる「下照姫命」の墓と言い伝えられてきた場所です。
大正4年(1915年)、経塚の中から平安時代初期の銅経筒を始め、仏像、銅鏡、瑠璃玉などが発掘されたそうです。
出土品はすべて国宝に指定され、現在は東京国立博物館に収蔵されています。
倭文神社では、国宝「銅経筒」をモチーフとした「タイムカプセル御守(国宝みくじ)」が授与されています。おみくじを引いた後は、付属の願い札と御守を入れて持ち帰ることができるそう。
なお、公式インスタグラムによると、本年(2025年)の授与は終了し、来年(2026年)お正月から再び授与されるそうです。
経塚の入口を横目に、さらにまっすぐ参道を進みます。
正面に拝殿、左手に手水舎が見えてきました。緑の木々に囲まれた拝殿に陽光が射し、なんとも素敵な雰囲気です。
手水舎は水面が凪いでおり、美しい水鏡を楽しむことができました。
正面に視線を向ければ、石造りの玉垣に囲まれた奥に拝殿、さらに奥に本殿があります。
拝殿の前には、後ろ足を伸ばした珍しい姿の狛犬が鎮座していました。
どういう意味があっての姿なのかは不明だということですが、この地域ではよく見る形なのだとか。
御守には、安産御守をはじめ、子授け御守、開運御守、貝運御守、交通安全御守、学業・健康御守などが授与されています。
さらに、拝殿の左手に植えられている大きな無患子(むくろじ)の木の種を使った、「無患子御守」もありました。
羽根つきの羽に使われるというこの黒い種は、「子が患うこと無く」と書くことから、子供の御守として大切にされてきたのだそう。
静けさがただよう中でお参りできる、伯耆一ノ宮「倭文神社」。
近くに立ち寄った際は、ぜひまたお参りに足を運びたい場所です。
基本データ 名称:伯耆一ノ宮 倭文神社 住所:鳥取県東伯郡湯梨浜町大字宮内754 参拝時間:午前9時半~午後4時 祈祷受付時間:午前9時半~午後3時半 電話:0858-32-1985 |

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