
引き続き、石川県金沢市の観光名所「兼六園」を紹介します。

霞ヶ池の南角から南南東へと進むと、ゆったりと曲水が流れるエリアへと入ります。

小さな橋を渡った先にそびえ立ってしたのは、兼六園名物のひとつ「根上松(ねあがりのまつ)」です。大小40数本もの根が地上2メートルにまでせりあがっています。
松を植えた際に根を深く土で覆い、成長後に土を除いて根を露わにしたものだと伝えられているそう。これはすごい。

戻って曲水沿いに進むと、遠くに木製の橋が見えてきました。「花見橋」です。
この辺りは、春から初夏にかけて桜、カキツバタ、サツキ、ツツジなどが咲き、雪景色もまた見事なのだそう。ぜひ一度花の季節に訪れてみたいものです。

さらに進むと、鳥居が設けられた島「鶺鴒島(せきれいじま)」があります。
鳥居の奥には、陰陽石(誕生)、相生の松(結婚)、五重の石塔(死)を配置されており、人生の三儀式を表しているそうです。

この辺りの曲水は水も澄んでいて、木々が作る木陰がなんとも素敵な雰囲気でした。

鶺鴒島の近くで、ひときわ目立っていたのは「明治紀念之標」です。明治13年(1880年)に、日本で最初に建てられた銅像といわれています。
こちらは、西南戦争で戦死した郷土軍人の霊を慰めるもので、中央に日本武尊像、左側に石川県戦士尽忠碑が建てられています。

明治紀念之標から北北西へと進むと、「雁行橋」が見えてきました。11枚の赤戸室石で雁が列をなして飛んでいる姿を模してあるそうで、別名「かりがね橋」とも。
石の形から「亀甲橋」とも呼ばれ、この橋を渡ると長生きするといわれているそうですが、残念ながら石の摩耗のために、現在は通行不可となっています。

雁行橋からすぐ、霞ヶ池にはりだすように枝を伸ばしているのは「唐崎松(からさきのまつ)」、近江八景の一つである唐崎神社から松の種子を取り寄せて育てたという黒松です。
雪の重みによる枝折れを防ぐために行われる、兼六園の冬の風物詩「雪吊り」は、この松から作業が開始されるそう。

枝のはりだしはまさしく見事のひとこと、園内でもっとも枝ぶりが見事だというのも頷けます。

唐崎松からさらに進むと、眼下が開けた「眺望台」がありました。
兼六園は、「六勝(宏大、幽邃、人力、蒼古、水泉、眺望)」を兼ね備えていることから名づけられたそうですが、その内「眺望」を堪能できる場所です。

眺望台のすぐ近くには、有名な「徽軫灯籠(ことじとうろう)」へと続く、一方通行の散策路の入口がありました。

徽軫灯籠は、片足だけを池の中に入れた二股足の灯籠です。
琴の糸を支える琴柱(ことじ)に似ているため、その名がつけられたといわれています。(写真には写っていませんが)手前にある「虹橋(別名 琴橋)」を琴に見立てると、まさしく琴柱です。

一方通行の散策路の終わり付近では、唐崎松を先程とは別の方向から見ることもできました。
霞ヶ池にはりだした枝が、しっかりと支えられていることがわかります。

さすがに疲れたので、徽軫灯籠の近くにある、明治7年創業の茶店「寄観亭 (きかんてい )」さんに入りました。
うっかり外観は撮影し忘れましたが、店内奥に入ると広い飲食スペース「甘味処 雪づり」があります。注文カウンターは、写真左側です。

注文したのは、「かき氷(レモン)」「冷し抹茶」各450円(税込)、「抹茶フロート」550円(税込)です。
ごくごく普通のメニューでしたが、暑い中を歩いた身体には最高の休憩でした。

さまざまな景色を楽しむことができる「兼六園」、かなりの広さなので、歩くだけでも良い運動になります。園内に自動販売機はありましたが、水やお茶系は売り切れていたので、暑い時期に利用するなら水分の持参は必須です。
次回は、花の季節や雪の季節に訪れてみたいものです。

なお、石川県民の方は、入園が無料になる日があるようです。これはうらやましい。
京都でも、同じような取り組みがあれば良いのに。

また、今年(2024年)9月30日まで、北陸新幹線金沢-敦賀間開業記念として「北陸3県周遊デジタルdeスタンプラリー」が行われています。
石川県、福井県、富山県に訪れる予定の方は、チェックしてみてはいかがでしょう。
基本データ 名称:兼六園 住所:石川県金沢市兼六町1 入園料:18歳以上320円 6歳以上18歳未満100円 ※早朝無料入園サービス有 ※無料開放日有 ※金沢城・兼六園ライトアップは入場無料 開園時間: (3月1日~10月15日)午前7時~午後6時 ※最終入園午後5時半 (10月16日~2月末日)午前8時~午後5時 ※最終入園午後4時半 休園日:原則年中無休 ※安全確保が困難な場合・ 社会的な情勢等により休園有 電話(金沢城・兼六園管理事務所) :076-234-3800 基本データ 名称:寄観亭 住所:石川県金沢市兼六町1-21 営業時間:午前9時~午後4時 定休日:水曜日 ※年末年始、GW等特日は除く 電話:076-221-0696 |
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