
「歴史街道」のメインルート沿いにある、「岡寺」こと東光山真珠院「龍蓋寺」、日本最初のやくよけ霊場の紹介です。
写真では縦の青い線、下から3つめの白い丸の部分になります。

岡寺があるのは奈良県明日香村。かつて「大化の改新」の舞台となった「飛鳥板蓋宮」の東に位置し、現在も近くには「石舞台古墳」をはじめ「酒船石遺跡」などの数々の史跡があります。

長谷寺の末寺でもあり、この季節になると「長谷寺」「壷阪寺」「岡寺」の三寺で「大和三大観音あじさゐ回廊」も開催されます。
今回紹介するのは、昨年(2023年)の「あじさゐ回廊」の様子です。

岡寺には、車では交互通行が難しい細い坂道を登って行きます。徒歩は頑張れ、自転車なら電動自転車でないとツラそうです。

坂道の突きあたり手前右側に岡寺の無料駐車場があるので、今回はこちらを利用しました。

駐車場はそれほど広くはありませんが、十数台は停めることが可能です。
奥の階段をのぼれば参拝受付はすぐそこ。車の運転が得意な方であれば、こちらの駐車場がお勧めです。

なお、坂道をのぼる前には、有料の民間駐車場もあります。
有料駐車場から歩く必要はありますが、車の運転苦手な方はこちらを利用するのもひとつの方法です。

写真左側の建物が入山受付、こちらで入山料をおさめます。中央の朱塗りの建物は「仁王門」です。

岡寺の創建は、寺伝によると約1300年前。天智天皇の勅願によって、義淵僧正が建立されました。
義淵僧正は、「観音さまの申し子」として天智天皇に引き取られ、岡宮で草壁皇子とともに育てられた方です。さらに、日本で初めて「僧正」の位となった方なのだとか。

仁王門をくぐると、左手に手水舎があります。

岡寺は、美しい花々が活けられた「華手水舎」があることでも有名です。
花がないこともあるそうですが、訪れた時はちょうど花が活けられている時期。この日は鮮やかな天竺牡丹(ダリア)と紫陽花が色とりどりに活けられていました。

竹筒から流れでる水は、ガラスの器で受け止められていました。いろいろな色が散りばめられたガラスに水が滴り落ちる様子は、なかなかの風情です。
なお、花やビー玉、ガラス器には手をふれないようにとの注意書きがありました。

花が活けられている間は、手水はこちらを利用するそう。
こちらは中にビー玉が沈められていて、涼しげな雰囲気でした。

本堂へと向かう石橋を渡ります。


石橋の両側では、GW限定で天竺牡丹の「華の池」を見ることができます。今年(2024年)も行われたとか。
昨年訪れたのはGW終わってからだったので、天竺牡丹は「華の池」の名残だったのでしょうか。反対側には、さまざまな青色の紫陽花が敷きつめられていました。

本堂に向かって、石造りの階段をのぼって行きます。
どの木か判然とはしませんでしたが、この辺りには樹齢300年にもなるというサツキの木が植えられているそうです。

階段をのぼりきると、緑に囲まれた空間にさまざまな御堂が立ち並んでいました。
左手に見えるのは、手前から「楼門」「開山堂(納骨・回向堂)」「本堂」です。

右手には「鐘楼堂」が見えます。
中につるされている鐘には、中央付近に七つの穴が開いているそう。この穴は、戦時中に供出のため材質を調べるべく開けられた穴です。幸運にも供出の難から逃れたことから、厄除けの参拝者の方などが鐘を撞かれることもあるとか。

次回は岡寺の本堂周りを中心に、美しい「紫陽花華宝珠」などを紹介します。
基本データ 名称:岡寺(東光山真珠院 龍蓋寺) 住所:奈良県高市郡明日香村岡806 入山時間: (3月~11月)午前8時半~午後5時 (12月~2月)午前8時半~午後4時半 入山料:大学生以上400円 高校生300円/中学生200円 小学生以下無料 電話番号:0774-54-2007 |
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