
京都市東山区にある浄土宗総本山「知恩院」、その境内にある庭園のひとつ「友禅苑」の紹介です。

「友禅苑」の入口は、知恩院の三門に向かって右手にある緩やかな坂道をのぼり、「女坂」の手前。木製の看板が掲げられているので、わかりやすいと思います。

知恩院には、「友禅苑」の他にも「方丈庭園」があります。
共通券も販売(午前3時20分まで)されているので、どちらも拝観したい方にはお勧めです。

今回紹介する紅葉の様子は、昨年(2022年)11月中旬頃のものです。ご参考までにどうぞ。

門をくぐり抜けると、すぐ目の前には「友禅苑」について詳しく案内されていました。

そもそも「友禅苑」は、友禅染の始祖「宮崎友禅斎」生誕300年を記念して、縁がある場所に銅像を建立し、改修造園された庭園だということです。

「友禅苑」の広さは約4000坪(12000平方メートル)。
案内のすぐ横、左手には、東山の清流を引き入れた池泉式庭園があります。右手に広がるのは、枯山水の庭「鹿野苑(ろくやおん)」。「友禅苑」は上下二段の庭園にわかれている、昭和の名園と呼ばれているそうです。

池泉式庭園の池の中央には、観音菩薩像が建てられていました。明治初期における神仏分離令によって混乱した日本仏教界を指導されたという、「知恩院第76世立誉行戒上人」の記念塔です。
観音菩薩像は、詩人・彫刻家 高村光太郎の父である、彫刻家 高村光雲の手によるものだとか。

池の上流は少しばかり小高くなっており、ふたつの建物があります。
こちらは「華麓庵」。昭和43年(1968年)に法然上人浄土宗開創800年を記念して、明治から昭和初期の政治家 大澤徳太郎の別邸にあった茶室を移築したものだとか。

さらに奥には「白寿庵」があります。
知恩院第79世山下現有上人の白寿記念事業として華頂会館の付属茶席として建設された建物を、知恩院第86世中村康隆上人の白寿記念事業として友禅苑内に移築したそうです。

庵のかたわらから空を見あげてみれば、紅葉のグラデーションを楽しむこともできました。

すぐ側には、池泉式庭園の池へと続く遣水(やりみず)が設けられています。


上流へとたどってみると、素晴らしく澄んだ水の中に赤色の紅葉が散らばり、美しい光景を見ることができました。


池の南側には、美しい枯山水の庭「鹿野苑」が広がっています。
釈尊が悟りを開いた後、最初に説法したという「鹿野苑」にちなみ、法然上人がはじめて浄土門の念仏を広められた場所として名づけられたそうです。

枯山水庭園はそれほど広大というわけではありませんが、のんびりと景色を楽しみながら散策できるように整備されていました。

ところどころには赤く色づいた紅葉が青空に向かって枝を伸ばし、思わず何枚も写真を撮ってしまいました。

昨年はほぼ人の姿もなく、思いがけずのんびりと紅葉を楽しむことができた「知恩院友禅苑」、今年は多少人も増えているでしょうか。
また、今年は12月2日(土)まで「夜間特別拝観」が行われています。夜散歩もなかなか乙なもの、夜にライトアップのはしごをするのも良さそうです。
基本データ 名称:浄土宗総本山 知恩院 住所:京都市東山区林下町400 開閉門時間:午前5時半~午後4時 ※開門時間は季節によって異なる 庭園拝観料 友禅苑:大人300円/小人150円 方丈庭園:大人400円/小人200円 友禅苑・方丈庭園共通券:大人500円/小人250円 庭園拝観受付時間 友禅苑:午前9時~午後4時 方丈庭園:午前9時~午後3時50分 夜間特別拝観拝観料:大人800円/小人400円 夜間特別拝観時間:午後5時半~午後9時半 (午後9時受付終了) ※夜間特別拝観詳細は公式ホームページ参照 電話:075-531-2111 |
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