
織物の町「西陣」の一角にある、江戸時代は享和3年(1803年)創業の老舗和菓子店「鶴屋吉信(京都本店)お休み処・菓遊茶屋」さんの紹介です。

お店は、「西本願寺」「元離宮二条城」「晴明神社」などが立ち並ぶ堀川通沿い、堀川今出川交差点の北西にあります。
交差点から西へ向かうと、1店舗目は「tubara cafe」さん、鶴屋吉信さんが運営するカフェです。2店舗目が写真の「鶴屋吉信(京都本店)」さんになっています。

今回のお目あては、京都本店の2階にある「お休み処・菓遊茶屋」。
もちろん茶寮としても利用できますが、「菓遊茶屋」では職人さんに目の前で季節の生菓子を作ってもらえます。

「お休み処・菓遊茶屋」さんは、「鶴屋吉信(京都本店)」さんの1階のショップを通って行くこともできますが、「鶴屋吉信(京都本店)」さんと「tubara cafe」さんの建物の間に専用の入口がありました。

専用の入口から先に進みます。
細い路地の片側には竹が植えられていて、なんとも京都らしい風情です。

路地左手にある入口から入ると、広いエレベーターホールが広がっていました。左側が1階のショップで、右側に進むと2階「お休み処・菓遊茶屋」にあがるエレベーターがありました。
杉戸には、鶴屋吉信さんの屋号にもなっている鶴が、日本画家 上村淳之先生によって描かれています。

エレベーターは2台、右側のお客さま用のエレベーターに乗って2階へ到着すると、左側に待合スペースがありました。
空いていた時間だったらしく、案内のスタッフの方に「菓遊茶屋」での生菓子実演を希望すると、すぐに席に通してもらえました。

こちらが、生菓子が作られている様子を目の前で見ることができる、「菓遊茶屋」のカウンターです。
席につくと、すぐに奥から職人さんが出て来られました。

訪れた日の季節の生菓子は「菊の雅」と「藤袴」、菊は秋の代表的な花、藤袴は秋の七草のひとつです。
この日はふたりで利用しました。せっかくなので、「菊の雅」と「藤袴」をひとつずつお願いしてみました。


まずは「菊の雅」から。職人さんが詳しい説明をしながら、鮮やかな手つきで菊の花を模した生菓子をつくられていきます。
こちらから質問すると丁寧な説明があり、和やかに会話しながら、ひとときの楽しい時間を過ごすことができました。

「菊の雅」完成です。
手間のひとつひとつに意味があり、大量生産されるものとは一味違う、美しい色合いの生菓子ができあがりました。淡い桃色の中にごくごく薄い黄色がほのかに混ざっている様子が、得も言われぬ美しさです。

「藤袴」と「菊の雅」の完成です。
できあがった生菓子は、このカウンターではなく横にある、茶寮「お休み処」でいただきます。生菓子はスタッフの方が運んでくれますので、手荷物を持って移動するだけでOKです。

茶寮「お休み処」は、広々としています。
茶庭を中心に三方を囲むようにぐるりと席が準備されており、反対側には右手から進むことができます。

席に座ると、すぐに冷たいお茶とおしぼりが運ばれていました。
茶碗には、鶴屋吉信さんの鶴の模様がほどこされています。

「季節の生菓子とお抹茶」1,210円(税込)です。この料金には体験料金も含まれています。
季節の生菓子はもちろん、目の前で作っていただいたもの。菓遊茶屋での生菓子体験には、お抹茶もついてきます。


添えられていた黒文字で、生菓子を割ってみました。断面もうっとりする美しさです。
「菊の雅」は白あん、「藤袴」はこしあんが中心になっていて、どちらも美味しくいただきました。出来立ての生菓子は本当に美味しい。

菓遊茶屋の生菓子体験を利用しなくても、茶寮「お休み処」ではその他の甘味も準備されています。
今の季節は、かき氷や冷たいぜんざい、アイスクリームなどもいただけるようです。

なかなか見ることができない、生菓子がつくられていく過程を間近でしっかりと観ることができる「鶴屋吉信(京都本店)お休み処・菓遊茶屋」さん。
観光の中心部からは少し離れていますが、バスなどを利用すれば「京都御苑」や「北野天満宮」も近くです。この辺りは散策することもあるので、またぜひ立ち寄ってみたいと思います。
基本データ 名称:鶴屋吉信(京都本店)お休み処・菓遊茶屋 住所:京都府京都市上京区今出川通堀川西入る 営業時間: (1F)午前9時~午後6時 (2Fお休み処・菓遊茶屋) 午前10時~午後5時半(LO午後5時) ※詳しくは公式ホームページにて確認 定休日:水曜日 ※その他の休業日は公式ホームページにて確認 電話:075-441-0105 |
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