京都の伝統野菜のひとつ「壬生菜」発祥の地「壬生」、この場所にある新選組ゆかりのお寺「律宗 壬生寺」の紹介です。
場所は、四条通から坊城通沿いに徒歩3分ほど南へと下がったところ。
途中嵐電の踏切を渡り、新選組にゆかりがある「旧前川邸」や「八木邸」を横目に足を進めると、「壬生寺」の表門が見えてきます。
「壬生寺」は、「南都六宗」のひとつ「律宗」のお寺です。創建は平安時代中期の991年、総本山は鑑真和上が開かれた「唐招提寺」です。
壬生寺がある場所は、京都御所から見て裏口の鬼門にあたるそう。古くは白河天皇の発願によって毎年2月に「節分厄除大法会」が行われるようになり、これは現在も続いている行事です。
今回のお目あては、「京の夏の旅」で特別公開されている「本堂・壬生塚」。壬生塚は通年公開されていますが、本堂は通常非公開となっています。
拝観時間は通常とは少し異なり、午前10時~午後4時半(受付終了午後4時)までとなっていました。受付場所は本堂の手前、右側です。
「京の夏の旅」で特別公開されている「本堂・壬生塚」の拝観料は、大人800円。
まずは「本堂」を拝観し、その後本堂に向かって右手奥にある「文化財展観室」を見学、その後「阿弥陀堂」へと移動し、阿弥陀堂奥にある「壬生塚」、そして阿弥陀堂地階に設けられている「壬生寺歴史資料室」を見学できます。
「本堂」は一度、1962年(昭和37年)に御本尊である「地蔵菩薩像」を含む多数の寺宝とともに全焼したそうです。その後、総本山である唐招提寺から、新たな御本尊「延命地蔵菩薩立像」が移され、1970年(昭和45年)に現在の本堂が落慶されました。
当然のように、本堂内部は撮影不可になっています。
御本尊を取り囲む障壁画と襖絵には、友禅染の手法を応用して、現世や極楽浄土が見事に描かれています。思わず、時間を忘れて魅入ってしまいました。
公式ホームページ「壬生寺について」→「歴史」のページで紹介されていますので、一度見ることをお勧めします。
「文化財展観室」を見学した後は、「阿弥陀堂」へと向かいます。「壬生塚」は、阿弥陀堂を通り抜けた先にありました。
阿弥陀堂内部は撮影不可、外に出た場所にある壬生塚は撮影OKです。
阿弥陀堂を通り抜けると、先には手入れされた小さな池と庭が広がっていました。
朱塗りの橋を渡った先にある、池の中の島が「壬生塚」と呼ばれています。
正面には、1999年に有志の方々によって建立された「『あゝ新撰組』歌碑」があります。
歌手 故・三橋美智也氏を偲び、氏のヒット曲である「あゝ新撰組」の歌詞を石碑に刻んだものです。スイッチを押すと曲が流れるようになっているのだそう。
視線を右側に移すとその突きあたりには、新選組局長「近藤勇」の胸像が建てられていました。
俳優 故・上田吉次郎氏が発起人となって寄進を募られ、1971年(昭和46年)に建てられたものだとか。
胸像に向かって右手には、「新選組顕彰碑」があります。
京都で活動されている「新選組同好会」さんが、会の結成20周年を記念して1995年(平成7年)に建立されたものです。
顕彰碑の裏側には、有名な「局中法度」が刻まれていました。
顕彰碑からさらに奥へと進むと、今年(2023年)新選組結成160年を記念して建立された、新選組副長「土方歳三」の胸像があります。
「新選組隊士等慰霊供養祭」に合わせ、7月16日から公開されているそうです。
土方歳三の胸像は、クラウドファンディングを利用して資金を集められたそうで、集まった金額はなんと21,000千円超え。
すぐ横には、支援された方々の名前が記されていました。
最後は、阿弥陀堂の下にある「壬生寺歴史資料室」をまわって、今回の「京の夏の旅」特別公開の見学は終了です。
写真にはないですが、今回「文化財展観室」「壬生寺歴史資料室」には、新選組隊服「だんだら羽織(復元)」や会津藩お抱え刀工 十一代和泉守兼定が作刀した刀、「壬生狂言」の面や衣装なども展示されていました。
壬生寺の境内には9棟の堂宇があり、今回の特別公開以外でも見どころがあります。
写真は、千体の石仏を安置した「千体仏塔」。室町時代からの阿弥陀如来像や地蔵菩薩など1,000体が集められ、ミャンマーの「パゴダ(仏塔)」のように円錐形に安置されています。
今年10月7日(土)8日(日)9日(月・祝)の3連休には、「壬生狂言」の秋の公開も実施されます。
機会があれば、ぜひ一度観に行きたいものです。
近くには、テイクアウトメインのコーヒースタンド「だんだら珈琲店」がありました。
あいにくの店休日でしたが、今度は「だんだらソフトクリーム」をいただいてみたいと思います。
基本データ 名称:律宗 壬生寺 住所:京都市中京区壬生梛ノ宮町31 拝観料:(境内)自由 (阿弥陀堂・歴史資料室・壬生塚) 大人300円/小中高生100円 ※特別公開および行事がある時は要確認 開門時間:(境内)午前9時~午後5時 (阿弥陀堂・歴史資料室・壬生塚) 午前9時~午後4時 ※特別公開および行事がある時は要確認 電話:075-841-3381 基本データ 名称:だんだら珈琲店 住所:京都市中京区壬生梛ノ宮町26 営業時間:午前10時~その日次第 店休日:公式SNSにて確認 電話:075-812-0312 |
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