
本殿金堂でお参りをすませて、のぼってきた参道を再び下っていきます。
168メートルほど下った場所に、鞍馬山ケーブル「多宝塔駅」へ続く「新参道」と、徒歩で進む「九十九折参道」の分岐点がありました。

多宝塔駅までは300メートルほどの距離がありますが、なだらかな坂道になっています。

途中には「弥勒堂」があります。こちらは名前の通り、釈尊の滅後に五十六億七千万年を経てこの世に出現し、人類を救済するという「弥勒菩薩」が祀られていました。

美しい緑に囲まれた参道を、さらに下って行きます。

「多宝塔駅」が見えてきました。
九十九折参道の半分ほどの距離で、かつ歩きやすくはありますが、それなりに距離はあります。終電利用の場合はご注意ください。

「多宝塔」は、もとは本殿の東隣にあったそうですが、江戸時代1814年に一度焼失したそうです。
その後、昭和35年(1960年)に「鞍馬山開創1200年記念事業」の一環として、この場所に再建されたとか。

多宝塔駅は、多宝塔へとのぼる石段の向かいにあります。
切符売場や待合室は、入って左手にある階段を降りた場所にありました。

切符はこちらの券売機で購入します。
硬貨か千円札しか利用できませんので、あらかじめ財布の中身をご確認ください(連れがいなかったら、あやうく乗り損ねることろでした)。

鞍馬山ケーブルは、足の弱い方や年配の方が少しでも楽に参拝できるように敷設されたそうです。
営利事業ではないため「運賃」ではなく、鞍馬山内の堂舎維持のための「寄進」という形になっていました。

待ちあいスペースには、椅子がズラリと並べられていました。
乗り場から近い椅子から順番に座ってケーブルカーの到着を待ちます。

ケーブルカーの到着です。
折り返し運転なので、普明殿にある山門駅から乗車してきた人の降車を待ってから乗り込みます。

線路の長さは207.2メートル。日本で一番短い鉄道で、勾配もかなりの角度です。
鉄道事業法による許可を受けた鉄道としては、唯一宗教法人が運営しているケーブルカーだということです。

車内も見てのとおりの角度になっていました。
座席も準備されていますが、乗車人数が多い時は立ったまま吊革につかまることになります。

下にある席に座ったところ、運転席が視界を遮っていたため、ほとんど下の景色は見えませんでした。残念。
今度利用する場合は、後方の席に座ってみようと思います。

横の大きな窓から外を眺めると、うっそうとした木々が生い茂っていました。
九十九折参道はこの木々の中を縫うように歩くことになります。


山門駅の出口に向かう途中、振り返って撮影してみました。
こうやって見ると、すごい角度で下ってきたことが実感できます。

写真は、現在の多宝塔駅の時刻表です。
運休などもあります。利用される予定の方は、事前に公式ホームページのお知らせをご確認ください。
基本データ 名称:鞍馬弘教総本山 鞍馬寺 住所:京都市左京区鞍馬本町1074番地 本殿開扉時間:午前9時~午後4時15分 愛山費:300円 ケーブル寄進(片道) :大人200円/小学生以下100円 ※ケーブルカー利用時のみ ※運休有 電話:075-741-2003 |
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