成相寺(京都府宮津市) ①四季折々の景色をたのしむことができる御寺

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 日本三景のひとつ「天橋立」をのぞむ「天橋立傘松公園」のさらに上に位置する、成相山「成相(なりあい)寺」の紹介です。

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 「成相寺」へと向かう方法はふたつ。天橋立傘松公園と成相寺を往復する登山バスに乗るか、車で直接成相寺までのぼってくるか。
 今回は車で直接成相寺までのぼり、料金所で入山料をおさめてから、広い第二駐車場に車を停めました。

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 訪れたのは、昨年(2021年)の紅葉の季節。
 第二駐車場からは、こちらの階段を使って本堂へと向かいます。正面の階段をのぼって参拝したい場合は、いったん第一駐車場の方向へと進む必要があります。

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 本堂へと続く参道の途中には、西国三十三所の「順礼(巡礼)堂」がありました。
 途絶えていたという「西国三十三所観音巡礼」を再興させたのは花山法皇、成相寺は西国第二十八番札所となっています。

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 順礼堂には、西国三十三霊場の各御本尊が安置されています。
 こちらに参拝することで、三十三の霊場を巡礼した場合と同様の功徳、ご利益を受けることができるそうです。

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 順礼堂の手前には、「一願一言(ひとこと)の地蔵さん」がいらっしゃいました。約650年前につくられたお地蔵さまで、座っておられる蓮華座も含め、すべてひとつの石から掘り出されているそうです。
 「唯一願(ひとつねがい)を一言でお願いすれば、どんな事でも叶えてくれる」というこちらのお地蔵さまは、安楽ポックリの往生も叶えられるということです。

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 一願一言地蔵の前にある階段から上を眺めれば、目の前に「本堂」がそびえ立っていました。
 もともとは現在よりさらに山の上の方に建てられていたそうですが、山崩れのために現在の場所に移転されたのだとか。現在の本堂は、江戸時代1774年に建築された建物になるそうです。

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 古式に則り、五間四方の入母屋造、正面は千鳥破風、軒唐破風で飾られています。

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 本堂に入る前に、向かって左手にある手水を使わせてもらいます。
 こちらの手水鉢は「鉄湯船」と呼ばれるもので、沸かしたお湯を入れ、かかり湯をするために使われていたと考えられているそうです。
 後には、薬湯を沸かして、怪我や病気の人の治療をしたとも伝えられているとか。

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 成相寺の創建は、飛鳥時代704年までさかのぼります。
 文武天皇の勅願寺として、真応上人が創建したと伝えられています。

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 本堂には、御本尊の「聖観世音菩薩」が祀られています。
 こちらの観音さまは、「身代わり観音」「美人観音」として名高い観音さまで、「御伽草子」に登場する梵天国王の姫君が姿を変えられたと言われているそうです。

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 本堂の右側、天井に近い場所には、飛騨の伝統的な彫刻職人 左甚五郎作と伝えられている「真向(まむき)の龍」が展示されています。

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 この彫刻の龍は正面を向いていて、右から見ても左から見ても自分を見ているように見えることから、「真向の龍」の名前がつけられたとか。

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 製作を依頼された甚五郎は、見たことのない龍を彫ることができるのかと悩んでいたところ、夢で龍の住処を教えられたそうです。
 教えられた成相の滝壺で観音堂に祈ること3日、滝壺から姿を現した龍が天へと飛び立ち、雲の間に消える様子を見ることができたとか。そうして完成したのが「真向の龍」だということです。
 
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 成相寺は紅葉が美しいことで有名で、本堂の裏側も鮮やかに色づいていました。

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 さらには紅葉だけでなく、春には桜、4月の末頃からは石楠花、初夏には紫陽花、冬には雪景色をたのしむことができるそうです。
 季節ごとに表情を堪能しに、たびたび訪れるのも良さそうです。

 次回は本堂へと至る参道の様子と、美しい「五重塔」を紹介します。


 基本データ
 名称:橋立真言宗成相山 成相寺
 住所:京都府宮津市成相寺339
 参拝時間:午前8時~午後4時半
 入山料:大人500円/中学生・高校生200円
     小学生以下無料
 電話:0772-27-0018

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posted by ウィロー at 11:00 Comment(0)寺社・仏閣日記    

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