
引き続き、「鞍馬寺」から「奥の院」、そして貴船へといたる山越えの様子を紹介します。
前回は「木の根道」まで、今回はその先の道行きをご案内します。

木の根道から少し進むと「大杉権現社」の札が立てられていました。


さらに奥へと進むと手水鉢らしきもの、そして小さいながらも狛犬の姿を見ることができました。

倒壊した柵の奥には高い木がそびえ立っていましたが、その根元を見ると、何やら大きな木の幹が無残にも引き裂かれたように横たわっています。

「魔王尊 影向(ようごう) 大杉大権現」、「護法魔王尊が権(かり)のお姿を現しておられる」として古来より尊崇を集めてきたという、千年近い樹齢を保った杉の古木です。

昭和25年(1950年)のジェーン台風で中ほどから折れ、平成30年(2018年)の台風21号で倒れてしまったとのこと。
現在の姿は、「護法魔王尊が人類の苦しみや罪業を代わって一心にお受けくださった『代受苦』のお姿である」とされているそうです。

登山道から逸れて木の根道を歩き、そして大杉権現社を参拝した後は、再び登山道へと戻ります。
ここから貴船方面へは、ほとんどが下りの道となります。

しばらく進むと御堂が見えてきました。「不動堂」です。
こちらには、伝教大師 最澄が天台宗立教の悲願のため、一刀三礼を尽くして刻んだ不動明王が奉安されているとか。

近くの小高い場所には「義経堂」がありました。
この辺りは、牛若丸が天狗に兵法を習ったと伝えられている「僧正ガ谷」という場所です。

「義経堂」には、奥州衣川の合戦で自害したと言われている義経公の御魂が、「遮那王尊」として祀られているそうです。
義経公の霊性は今も生きてこの山にあるといわれており、魔王尊の破邪顕正の働きを助けていらっしゃるとか。

この先はかなり足場が悪くなります。
鞍馬山でもこの辺り一帯は極相に達した森で、植物の種類が安定し、大きく変化しなくなっているそうです。

鞍馬山随一の聖地とされている、「奥の院 魔王殿」が見えてきました。

「魔王殿」は、太古に護法魔王尊が降臨した磐坐・磐境として崇拝されてきた場所です。
御堂の奥にはごろごろとした岩が立ち並び、どことなく神秘的な雰囲気がただよっています。

奥の院から先は、急な下り道が続きます。

見ての通り、下る角度は鞍馬側から上るよりも急になっています。足場が安定しない場所も多く、正直なところ、貴船側から上るのはかなり大変そうに見えました。
鞍馬山を越えるのであれば、個人的には鞍馬寺から貴船へと向かうルートがお勧めです。

貴船側の入口「鞍馬寺西門」が見えてきました。
のんびりと景色などを楽しみながら進みましたので、1時間以上かかったと思います。

貴船側から鞍馬山へ入る場合は、こちらで入山料をおさめます。

西門は貴船川のすぐ横にあり、近くには「貴船神社」をはじめ、川床で有名なお店も立ち並んでいます。
山歩きの後は、貴船川の流れを見ながら、のんびりと食事をするのもおすすめです。
基本データ 名称:鞍馬弘教 総本山 鞍馬寺 住所:京都市左京区鞍馬本町1074番地 本殿開扉時間:午前9時~午後4時15分 愛山費:300円 ケーブル寄進(片道) :大人200円/小学生以下100円 ※ケーブルカー利用時のみ ※運休有 電話:075-741-2003 |
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