
少し前に紹介した「鞍馬寺」の「本殿金堂」、向かって左側から始まる「奥の院」へと続く参道の様子を紹介します。
最終的には鞍馬から山越えし、西側の貴船へと抜けるルートです。

ぼやけてしまっていますが、奥の院へと続く参道に入ってすぐ左側には「入山参拝者心得」が掲示されています。
ゴミの持ち帰りはもちろん必須ですし、たき火もできません。道中、まむし・毒虫・熊もいるそうなので、注意が必要です。

参道に入ってすぐの階段です。
この辺りの階段はしっかりとしているので、まだ歩きやすいと思います。

鞍馬に近い場所であれば、まだこのように平坦な道もありますが、基本的には上りも下りもひたすら階段が続きます。
貴船に近づくにしたがって舗装もなくなり、足場も悪くなっていきます。しっかりと山歩きできる靴が必要です。間違っても、踵が高いパンプスやサンダルで突撃しないようにご注意を。

参道の途中では、さまざまな御堂や史跡、石碑を見ることができます。
「霊宝殿(鞍馬山博物館)」のすぐ近くには、與謝野寛(鉄幹)の歌碑「遮那王が 背くらべ石を山に見て わがこころなほ 明日を待つかな」(左側)、與謝野晶子の歌碑「何となく 君にまたるるここちして いでし花野の 夕月夜かな」(右側)がありました。

霊宝殿を通り過ぎ、さらに石段をのぼっていきます。

次にあったのは、「義経公息次ぎの水」と呼ばれている、現在も湧き続けている湧水です。
まだ牛若丸であった頃、毎夜奥の院の僧正ガ谷へ剣術の修行に通った時、この清水で喉を潤したと伝わっているのだそう。

こちらの御堂は、「屏風坂の地蔵堂」と呼ばれています。

以前は、御堂前の坂道が一枚岩で、屏風を立てたような急坂になっていたため、この名前がつけられたそうです。
現在は階段になっていますが、それでも急な階段であることには変わりがありません。

石畳の階段を一段一段、さらに上へとのぼっていきます。

進んだ先にあったのは、「義経公背比べ石」です。
牛若丸だった頃の義経公が、奥州平泉の藤原秀衡の許へと下る前、「名残を惜しんで、この石と背比べをした」と言い伝えられているとか。

しばらく進むと、「木の根道」と呼ばれている、不思議な道にたどりつきました。
この場所の地面は灼熱のマグマの貫入によって硬化したということで、根が地下に伸びることができなかったそうです。

そのため、根が地表面でアラベスク模様を描き、独特の雰囲気を味わうことができます。
牛若丸もこの「木の根道」で兵法修行をしたと伝えられているそうです。
次回も引き続き、貴船まで超える鞍馬山の様子を紹介します。
基本データ 名称:鞍馬弘教 総本山 鞍馬寺 住所:京都市左京区鞍馬本町1074番地 本殿開扉時間:午前9時~午後4時15分 愛山費:300円 ケーブル寄進(片道) :大人200円/小学生以下100円 ※ケーブルカー利用時のみ ※運休有 電話:075-741-2003 |
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