
「わび」「さび」という美意識で表現される「東山文化」の代表的な建築、東山「慈照寺」 通称「銀閣寺」の紹介です。

「慈照寺」は、京都盆地の東 如意ヶ岳(大文字山)の麓にあります。
白川通今出川交差点にある、銀閣寺道バス停から東へと進み、写真の銀閣寺橋まで徒歩5分ほど。写真周辺の散策路は、有名な「哲学の道」です。
慈照寺の入口は、この場所からさらに徒歩5分ほどの場所にあります。

足利義政公の隠居所「東山殿」を、遺命によって寺としたのが「慈照寺」の始まりです。寺名は、義政公の法号「慈照院」にちなんだものだとか。
鹿苑寺(金閣寺)とともに、京都御苑の北に位置する相国寺の山外塔頭のひとつであり、江戸時代に「金閣寺」に対して「銀閣寺」と呼ばれるようになったそうです。

「古都京都の文化財」の一部としてユネスコ世界遺産に登録されている境内は、起伏に富み広々としています。
国宝である「観音堂(銀閣)」「東求堂」をはじめ、義正公が西芳寺(苔寺)の庭園を模して作ったといわれる庭園から成る景色は、ゆっくりと時間をかけて鑑賞するのがおすすめです。

慈照寺へは、こちらの「総門」からお邪魔します。

総門から拝観受付のある中門までの50メートルほどの参道は、「銀閣寺垣」と呼ばれる竹垣に囲まれています。
訪れた時間には、高い竹垣に囲まれた細長い空間に、偶然にも行きかう人影がなく、静謐とした雰囲気に包まれていました。

中門の横にある拝観受付で拝観料をおさめ、パンフレットと御札をいただいて中に入ります。

中門をこえてすぐ右手には大玄関があり、庫裏が続いています(こちらは入ることはできません)。

大玄関前の小さな庭は、白砂に見事な模様が描かれており、まるで海原のよう。小さな低木が植えられた苔生した土は、さしずめ海に浮かぶ島でしょうか。
こちらの庭だけでも満足度は高めですが、慈照寺の見どころはまだこの先にあります。

先に進むとまず目に入るのは、国宝の「観音殿(銀閣)」です。
通称の由来ともなったこちらの建物は、義政公が自らの宗教観を託して、一層を「心空殿(しんくうでん)」、二層を「潮音閣(ちょうおんかく)」と命名されたとか。

観音殿(銀閣)は、鹿苑寺の「舎利殿(金閣)」西本願寺の「飛雲閣」と合わせて「京の三閣」のひとつに数えられています。
金箔が貼られている鹿苑寺の舎利殿(金閣)と異なり、観音殿(銀閣)には銀箔が貼られていなかったことが、2007年の調査で判明しているそうです。


観音殿(銀閣)前から境内に広がる池は「錦鏡池(きんきょうち)」と名づけられており、「北斗石」「大内石」をはじめとして数々の名石を見ることができます。

錦鏡池の南東の端では「洗月泉」という小さな滝があり、山から流れ落ちる水を下段の池泉回遊式の庭へ導いていました。

次回は、「方丈(本堂)」の前に広がる見事な「銀沙灘(ぎんしゃだん)」と、展望所から眺める景色を中心に紹介します。
基本データ 名称:臨済宗相国寺派 東山 慈照寺(銀閣寺) 住所:京都市左京区銀閣寺町2 参拝時間: (3月~11月)午前8時半~午後5時 (12月~2月)午前9時~午後4時半 参拝料:高校生以上500円 中学生・小学生300円 電話:075-771-5725 |
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