
滋賀県高島市の琵琶湖沿いにある「白髭神社」、今回は御祭神や御由緒、本殿後ろの石段上にある「上の宮」を紹介します。

白髭神社というと、どうしても湖中の大鳥居に目が行きがちですが、御祭神が祀られているのはこちら。写真が拝殿で、後ろに本殿があります。
本殿は、豊臣秀吉の遺命を受け、秀頼公の寄進により慶長8年(1603年)に建立された桃山時代特有の建築です。

創建は2000年あまり前、第11代 垂仁天皇の時代とされています。伊勢神宮の斎宮の起源とされるひとり、皇女「倭姫命(やまとひめのみこと)」が社殿を御創建されたとか。
御祭神は「猿田彦命(さるたひこのみこと)」。天孫「瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)」が 降臨された際、先頭に立って道案内をされた神さまです。

白髭神社に祀られている猿田彦命は白髪で白い鬚を蓄えた老人の姿をされているそうで、古くから延命長寿白鬚の神として広く崇敬されてきたそうです。
さらに、縁結び・子授け・福徳開運・攘災招福・商売繁盛・交通安全など、人の世の総ての導き・道開きの神として信仰されています。

本殿の後ろには「太田命(猿田彦命の別名または御幼名)」を祀った「若宮神社」、そして高台には「上の宮(石段上にあるお社を総称する名前)」があります。

左側から「八幡三社(高良神社・八幡神社・加茂神社)」、「天照皇大神宮(内宮)」、「豊受大神宮(下宮)」、平成時代に修復され、現在はいずれも新殿となっているそうです。

八幡三社の前あたりには、紫式部の歌碑があります。
「みおの海に 網引く民の てまもなく 立ちゐにつけて 都恋しも」と刻まれたこの歌は、越前国司として赴任する父 藤原為時に従って、この地を通った時に詠んだものだとか。

さらに上へと進むと左から、菅原道真を祀った「天満神社」、「波除稲荷社」、「西近江七福神巡り」のひとつになったのを記念して建立された「寿老神社」、「鳴子弁財天社」が並んでいました。
稲荷社の前には、しっかりと朱塗りの鳥居が建てられているのが印象的です。

少し足場は悪いですが、さらに奥へと進む階段がありましたので、足を進めてみました。

山手側奥には「白鬚神社古墳群」と呼ばれる円墳があり、その石室(古墳)の前に建てられている御社が「岩戸社」です。
この場所は「天の岩戸」として祀られているそうですが、残念ながら詳しい説明はありませんでした。

岩戸社のすぐ横には、注連縄がかけられた巨石もあります。

木立に囲まれた空間は静寂に包まれていて、なかなか神秘的な雰囲気でした。
湖中の大鳥居も良いですが、岩戸社周辺も個人的にはお勧めです。

車で琵琶湖を一周する時には横を通ることになる「白髭神社」、なかなかの人気なので混雑する時間帯には駐車場が満車の可能性もあります。
早起きができるのであれば、日の出を目当てに出かけるのも良いと思います。
基本データ 名称:白髭神社 住所:滋賀県高島市鵜川215番地 拝観時間:24時間 ※社務所は午前9時~午後5時 拝観料:無料 電話:0740-36-1555 |
この記事へのコメント