
京都市左京区大原にある、天台宗五箇室門跡のひとつ「天台宗 魚山 三千院(三千院門跡)」の紹介です。

訪れたのは11月第1週末、折しも少しずつ木々が色づき始めた頃で、三千院の入口にあたる「御殿門(ごてんもん)」の前でも見事な紅葉を目にしました。

御殿門を囲む高い石垣は、城廓の石積み技術などで名高い近江坂本(比叡山山麓)の「穴太衆(あのうしゅう)」によって組み上げられたもの。
自然石を使った石組みは頑強で美しく、時を経ても崩れないと言われているそうです。

御殿門から入って左手にある拝観受付で拝観料をおさめ、靴を脱いでから客殿にお邪魔します。
再び外に出るのは別の場所(宸殿)からになるので、靴は準備されている袋に入れて持ち歩く必要があります。

客殿から、池泉鑑賞式庭園「聚碧園(しゅうへきえん)」を眺めました。東部は山畔を利用した上下二段式となっており、南部は円形とひょうたん形の池がある庭園になっています。
毛氈が敷いてある場所はお茶席になっていますので、お茶券(500円)を購入した方のみ利用できる場所です。

ちなみに、お茶券は客殿の片隅にある「お茶券売り場」で購入できます。
こちらでは、上品な雰囲気の懐紙も販売されていました。

11月第1週末の聚碧園はまだ秋らしい雰囲気は少ない状態でしたが、現在はすでに見頃を迎えているようです。

「円融房」に続く廊下から庭園を眺めると客殿も視界に映りこみ、濡れ縁から眺める景色とはまた違う雰囲気をたのしむことができました。


廊下のかたわらから庭園の池をのぞきこめば、そこには見事な水鏡を見ることができました。

波紋が浮かぶさまも美しく、しばらくこの場所で時間を忘れて水鏡に見入ってしまいました。

廊下の先は、「円融房」へは行けないように立入禁止の竹の結界が置かれていましたが、その手前には貴船でも見かけた「SOUND TRIP」が設置されていました。

「SOUND TRIP」とは、株式会社「on the trip」さんが企画されたアート活動のこと。
三千院では、声明をメインに大原の山に響く鳥の鳴き声や川の音を用いて音楽を制作されているそうです。

客殿のかたわらには、「清浄水」という札が立てられた水が流れる中庭もありました。

客殿から少しばかり階段をのぼり、「宸殿」から再び外へと出ます。
次回は、宸殿から「往生極楽院」を眺める庭園「有清園」から先、広い境内を紹介します。
基本データ 名称:天台宗 魚山 三千院 住所:京都市左京区大原来迎院町540 拝観時間: (3月~10月)午前9時~午後5時 (11月)午前8時半~午後5時 (12月~2月)午前9時~午後4時半 拝観料:一般700円/中学生・高校生400円 小学生150円 休観日:なし 電話:075-744-2531 電話(参拝部):075-744-2480 |
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