
参道の入口は、以前紹介した「熊野那智大社」の参道入口と同じ場所、「和か屋本店」さんの向かいです。

道なりに階段をのぼり続け、熊野那智大社の一の鳥居の手前の分岐で右に進めば、青岸渡寺の山門(仁王門)に到着します。

今回は、先に「熊野那智大社」にお参りしていたため、「胎内くぐり」ができる樟の木「樟霊社」のすぐ横から、「青岸渡寺」の境内にお邪魔しました。

「青岸渡寺」は、「補陀洛や 岸打つ波は 三熊野の 那智のお山に ひびく滝つ瀬」と御詠歌で詠われている、西国三十三所の第一番札所です。
なんでも、平安時代中期に、花山法皇が三年間参篭し、青岸渡寺を西国三十三所の第一番札所として定められたとか。

伝説では、開基は4世紀の仁徳天皇の時代までさかのぼるそうです。
印度天竺の僧、裸形上人が那智大滝において修行をつみ、那智滝の滝壺で得た「如意輪観世音菩薩」像を安置したのが始まりだと言われています。

中世から近世にかけては、隣接する熊野那智大社と一体化し、那智山熊野権現や那智権現と呼ばれていました。全体で7寺36坊もの坊舎を有する、神仏習合の修験道場でもあったそうです。

本堂に向かって右手には、樹齢700年の和歌山県指定天然記念物「タブノキ」が枝を伸ばしていました。どっしりとした幹周りと、新緑の葉をつけた枝が青空に向かって伸びる様子は、どことなく清々しさを感じさせてくれます。
タブノキの左奥に見える御堂は「水子堂」、そしいその水子堂の左手には「宝篋印塔」があるのですが、うっかりと撮影がもれていました。


本堂の裏側にあるのは、鎌倉時代に鋳造されたという「梵鐘」そして、梵鐘の脇にある石段をのぼると「那智大黒天」が祀られている 「大黒天堂」です。

すぐ近くには、冒頭で紹介した御詠歌が刻まれている石碑があり、そのすぐ横からは青岸渡寺の「三重塔」と「那智の滝」を同時に見ることができます。これは絶景。

そのまま道路に出ると、すぐ左手には広い駐車場がありました。「青岸渡寺駐車場」です。駐車料金は無料ですが、この場所に来るまでの通行料が800円必要となります。
奥に見えるのは「阿弥陀堂(納骨堂)」で、車ならそのまま納骨堂の方へと進めば、那智の滝方面へと下っていきます。

今回は徒歩だったので、駐車場の横にある階段を降りてショートカット、そのまま三重塔方面へと進みました。

下る途中、朱塗りの鮮やかな三重塔と那智の滝の競演をさらに間近から見ることができました。
あえてこの場所に三重塔を建築したのであれば、計画を立てた人に盛大な拍手を送りたいと思います。そのくらい目に焼きつけたい風景でした。
御神体「那智の滝」に架かるしめ縄も確認できます。
本来の那智の滝の大きさから考えると、まだまだ距離がありそうです。
別宮「飛瀧(ひろう)神社」は、また改めて紹介したいと思います。
基本データ 名称:那智山 青岸渡寺 住所:和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山8番地 参拝時間: (境内)午前5時~午後4時半 (三重塔)午前8時半~午後4時 境内参拝料:不要 三重塔参拝料:大人300円/子供200円 電話:0735-55-0001 |
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