
こちらは本殿の前にある有名な「飛梅」、樹齢400年以上と見られている御神木の紅梅です。
北野天満宮の御祭神である、菅原道真公を慕って大宰府まで飛翔したというのが「飛梅伝説」。こちらの木はその伝説の原種であることが明らかになっているとか。
大宰府に左遷される前に、道真公が詠んだ歌「東風吹かば にほひをこせよ梅花(うめのはな) 主なしとて 春を忘るな」は有名ですね。

飛梅は残念ながらまだつぼみの状態でしたが、もう少し暖かくなれば花を咲かせそうです。

本殿に向かって左から出て北に進んだ角にある「絵馬掛所」には、合格祈願を願った絵馬があふれるように掛けられていました。

絵馬掛所の手前、摂社・末社が立ち並ぶ位置で見事な花をほころばせていたのは、紅梅「紅千鳥」です。


雄しべが浜で遊ぶ千鳥のように見えることから、この名前がつけられたといわれています。


本殿の北にある「地主神社」の前でも、白梅が花をつけていました。
「地主神社」の御祭神は「天神地祇」、「天神」は「天津神(あまつかみ)」のことで、「地祇」は「国津神(くにつかみ)」のこと。つまり「天神地祇」とは、そのすべての神々の総称です。


「東門」から入って正面にも、周りの風景もあいまって、ひときわ鮮やかな美しい紅梅が咲き乱れていました。

東門の右前には、「竈社」の扁額が掲げられた鳥居があります。
鳥居からまっすぐに伸びる参道を横切るように幹を伸ばす木が印象的です。どうやってこのような育ち方をしたのか不思議ですが、切り倒すこともなく支柱を使ってまでこのままの状態を保っている様子は、なかなかよいものです。

祀られているのは、「庭津彦神(にわつひこのかみ)」「庭津姫神(にわつひめのかみ)」「火産霊神(ほむすびのかみ)」の三柱。いずれも「台所の守り神」とされています。
特に有名なのは「火産霊神」、別名を「迦具土神(かぐつちのかみ)」といい、 伊邪那美命から産まれた火の神といえば、ご存じの方も多いと思います。
鳥居のすぐ横にも梅が枝を伸ばしていて、青空と紅梅、そして石造りの鳥居のコントラストがよい写真が撮れました。

写真ではわかりにくいですが、竈社前にある手水舎の隣に植えられている梅の木には、薄紅色と白色の2色の花がついていました。
ですが見ての通りこちらの梅の木は、1本の幹から枝が分かれています。
接ぎ木かと思ったのですが、現在北野天満宮で授与されている梅枝と同じ「思いのまま」かもしれません。

「思いのまま」の別名は「輪違い(りんちがい)」、紅色・白色の花が1本の木から咲き分けるそうです。
調べてみると、1輪の花が2色の花びらをつけることや斑入りになることももあるとか。
次回は、「北野天満宮」で期間限定販売されている和菓子や、授与されているお守り、梅枝「思いのまま」を紹介します。
なお、2021年2月中旬現在、京都府で新型コロナウイルス感染拡大防止のための「緊急事態宣言」が発令されているため、開門閉門時間を含め、各受付時間が変更になっています。詳しくは、公式ポームページにてご確認ください。
基本データ 名称:北野天満宮 住所:京都市上京区馬喰町 拝観時間 (4月~9月)午前5時~午後6時 (10月~3月)午前5時半~午後5時半 ※毎月25日のライトアップは日没~午後9時まで ※秋のライトアップは日没~午後8時まで 拝観料:境内自由 ※「梅苑」公開時は「梅苑」への入場料必要 ※「御土居」公開時は「御土居」への入場料必要 お守り授与時間:午前9時~午後5時 祈祷受付時間:午前9時~午後4時半 電話: 075-461-0005 |
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