
山門から入ってすぐ左手にあるのが、こちらの「龍手水」です。
ダリヤの花が一面に敷き詰められた龍手水は11月初旬のもの。現在はダリヤの花が減り、代わりに薔薇や姫向日葵が浮かべられたものに変わっているようです。


厳めしい表情の龍と艶やかに咲き乱れるダリヤの対比が面白く、自然なようでいて実は計算されているだろう色合いの配置に、思わずうっとりと魅入ってしまいます。
そもそも本来の「花手水」とは、水のない野外で手を清める際、草花で代用した行為をさしています。
それを、数年前から定期的に手水鉢に花を入れるようになった楊谷寺が「花手水」と呼びはじめ、それがテレビやSNSを通じて全国的に広まっていきました。
こちらは今年の7月下旬に訪れた時の「龍手水」です。
もう少し早ければ紫陽花に彩られた「龍手水」を見ることができたのですが、ちょうど「あじさいウィーク」が終わった時期だったため、花の数が控えめでした。
とはいえ、公式ホームページでは「龍手水はウイーク期間中のみ」と紹介されていますので、ウィーク期間外に見れたのは幸運だったと思います。
花は少なめではありましたが、使ってある小物が可愛らしく、蛙や金魚、亀などひとつひとつの表情に思わずカメラを向けてしまいました。

こちらは前回紹介した京都府指定名勝庭園「浄土苑」にある「庭手水」です。
ハロウィンが終わった直後だったこともあって、浮かんでいたのは西洋カボチャ「プッチーニ」。これを手水に持ってくるとは、意外ですが面白いですね。
同じく「庭手水」、7月下旬のものです。この時は、陶器の金魚が手水鉢の中を優雅に泳いでいました。

前回紹介した上書院からさらに先に進んだ場所にある「琴手水」です。
手水鉢には色とりどりの楓の葉が沈んでいましたが、雨のために水面が揺れ、薄氷を通してみているような風情になっていました。
こちらは「水琴窟」になっていて、近くに準備されている中が空洞の棒を地面に立てて耳にあて、手水鉢の水を地面に落とすと涼やかな音色を聴くことができます。

名づけて「心琴窟」。
眼病に効くといわれている「独鈷水(おこうずい)」があるため、「眼の観音様」として知られているこちらの御寺には、目が不自由な方がお参りに来られることも多いそうです。そういう方々をはじめ、お参りされる方が「音」で庭園の雰囲気を感じることができように設置されたのが、こちらの「心琴窟」だとか。
こちらは7月下旬の「琴手水」、紫陽花の花が枯れかけているのは少し残念ですが、こればかりは季節的に仕方がないことでしょう。
来年はもう少し早く、紫陽花の盛りの頃に訪れてみたいと思います。
今回紹介したほかにも、「恋手水」や「苔手水」などもありますので、訪れる際はぜひ探してみてください。
なお、これらの花手水は常に設置されているわけではなく、花の状態によっては予告なく花手水がない時もあるようです。詳しくは、公式ホームページにてご確認ください。
次回は境内について詳しく紹介しようと思っていましたが、紅葉も深まってきたので、先に別の場所の紅葉の様子を紹介したいと思います。
「柳谷観音 楊谷寺」の境内については、またしばらく後で紹介させていただきます。
基本データ 名称:柳谷観音 立願山楊谷寺 住所:京都府長岡京市浄土谷堂ノ谷2 拝観時間:午前9時~午後4時 (午後4時半完全閉門) 上書院拝観時間: (ウィーク期間中)午前9時~午後3時 (毎月17日)午前10時~午後1時 ※要公式ホームページ確認 ウィーク期間入山料:500円 ※ウィーク期間以外無料 共通券(入山料+上書院特別拝観料):1,000円 毎月17日上書院拝観料:500円 電話:075-956-0017 |
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