勝林院(京都市左京区) 三千院の奥のある「天台声明」発祥の寺

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 大原と言えば「三千院」や「寂光院」が有名ですが、今回紹介するのは、三千院のさらに奥にあり、「天台声明(しょうみょう)」発祥の寺といわれている「勝林院」さんです。

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 三千院の入口を右に見ながら、律川にかかる小さな赤い橋を渡ります。
 そのまままっすぐ進むと、実光院の入口が左手に見えてきたらもうすぐ。突き当たりが「勝林院」です。

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 「勝林院」は1103年に寂源(兄弟に藤原道長の妻で藤原彰子の母 倫子がいる)が創建した、声明による念仏修行の道場です。
 寂源によって建立された本堂は、幾度も火災や水害の被害にあい、江戸時代には春日局の願によって、お江の方の菩提のために再建されたこともあったとか(この時の本堂は1736年正月の火災で焼失)。
 現在の本堂は1778年に再建されたもので、幅は七間・奥行が六間の建物は、柱・梁・床板などがすべて欅造りになっているそうです。

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 本堂の柱に「大原問答」とあるように、こちらでは勝林院の時の住職であった顕真が法然上人をまねいて、念仏の教えについて問答を交わしました。1168年のことです。
 他にも、延暦寺・金剛峯寺・東大寺などの高僧らも集まり、一昼夜にわたり法然上人に12の難問が投げかけられたとか。その中で、法然上人が「念仏を唱えれば極楽浄土へ往生できる」と経典を引用しながら説いたところ、本尊の阿弥陀仏がまばゆい光を放ってその主張が正しいことを証明したそうです。

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 本堂の濡れ縁から入口方向を撮影してみました。まっすぐにのびた参道と境内の外の小石が敷き詰められた道が一体となって、どこまでも勝林院の境内が続いているかのように感じてしまいます。

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 本堂の前には、菩提樹が植えられています。菩提樹は、ガウタマ・シッダールタ(釈迦)がその根元で悟りを得たといわれている樹です。
 釈迦が悟りを得た場所であるインド ブッダガヤの寺院には、現在も菩提樹が植えられているとか(原木は弾圧によって切られ、現在の樹は挿し木を成長させたもの)。

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 ふと、上を見上げると素晴らしく流麗な彫りの彫刻が目にとびこんできました。

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 欄間や蛙股などに施された彫刻は、とても立体的で鳥や人などは今にも動き出しそうな躍動感があります。
 花びら1枚1枚も丁寧に彫られているのが手にとるようにわかり、木彫りでここまで細部にわたる彫刻ができるのかと驚きとともに感嘆してしまいました。

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 本堂の中の写真はありませんが、中に入ってゆっくりと拝観することができます。
 珍しいのがこちらの「声明(しょうみょう)」です。「声明」とは、法要の中で経典を歌のように唱える宗教音楽のことで、インドから中国を経て日本に伝えられました。
 説明文の近くにあるボタンを押すと、堂内中に響き渡る荘厳な声明を聞くことができます。
 御本尊の阿弥陀如来像の前に座して、ゆっくりと声明に耳を傾けてみるのもいいですね。

 なお、今年10月4日に勝林院本堂にて「幽谷黎明 尺八と琴、声明の夕べ」というイベントが開催されるようです。
 興味がある方は、「宝泉院」または主催者「もっと大原里山紀行」さんのフェイスブックをご確認ください。

 次回は、勝林院の僧坊の一つであり、「額縁の寺」として知られている「宝泉院」を紹介します。


 基本データ
 名称:魚山大原寺 勝林院
 住所:京都市左京区大原勝林院町187
 拝観時間:午前9時半~午後4時半
      ※2020年5月末より当面の間
       午前10時~午後4時(閉門)
 拝観料:300円
 宝泉院共通拝観券:1,000円
          (宝泉院での茶菓付)
 電話:075-744-2409(宝泉院)
    075-744-2537(実光院)
    ※輪番(3年交代)

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posted by ウィロー at 11:00 Comment(0)寺社・仏閣日記    

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