元興寺(奈良市) ②石塔が立ち並ぶ「浮図田(ふとでん)」は絶好のフォトスポット

 「元興寺」の紹介、今回は本堂南側にある、石塔が立ち並ぶ「浮図田(ふとでん)」など、見どころをいくつかを紹介します。

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 近年まで、境内の北西部にある石舞台に積みあげられていた石塔、昭和の終わりにこのような形に並べなおされ、「浮図田(ふとでん)」と呼ばれています。
 「浮図」とは仏陀のことであり、つまり「浮図田」とは仏像、仏塔が稲田のごとく並ぶ場所という意味です。

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 並んでいる石塔には、いろいろな形があります。
 こちらの写真に写っているのは5つの石が積み重なっている「五輪塔」、密教の教義をもとにつくりだされた塔で、地・水・火・風・空という宇宙を構成する五大要素を体現しており、さらには大日如来と阿弥陀如来を塔の形で表したものだとか。

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 屋根の四隅に隅飾りと呼ばれる突起がある石塔は、「宝篋印塔」と呼ばれるもの。数はそれほど多くはありません。
 10世紀に中国でつくられた金属製阿育王塔に起源を持ち、功徳(ご利益)のある重要な経典「宝篋印陀羅尼」を納めたとされることから宝篋印塔と呼ばれているそうです。

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 五輪塔と宝篋印塔の形を、舟形の碑に浮彫や線刻したものを「舟型五輪塔(宝篋印塔)板碑」と呼ぶそうです。

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 浮図田の正面には、「獅子国型佛足石」が置かれていました。「獅子国」とはスリランカのことです。
 佛足石は元興寺特有のものではなく、古代インド仏教圏において、仏像無き時代に仏陀そのものを象徴する「生きた釈迦の両足尊」として信仰されてきたものです。
 手を触れるだけでも有難い功徳があると信じられており、かつて信者は足跡を両手で仰ぎ、頭を付け礼拝したといわれています。

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 浮図田の奧には、桜の樹が植えられていました。
 「影向桜」と呼ばれているそうです。「影向(ようごう)」とは神仏が仮の姿をとって現れること、この桜も仏さまの仮のお姿でしょうか。
 春には満開の花をつけ、禅室や浮図田に花びらが舞い散るさまは見事な美しさになるそうです。

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 こちらは、浮図田の中にあった家形石棺型手水鉢です。
 ここ最近、手水鉢に花を飾る神社仏閣が増えてきているようですが、こちらでも慎ましやかな花手水がほどこされていました。手水鉢を埋め尽くすほどの花が飾られているのも美しいと思いますが、このように控えめに飾られているのも風情があって良いものだと思います。

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 手水鉢の近くには、睡蓮が浮かんだ水鉢がありました。境内のあちこちに花が飾られていると、それだけでも見応えがあります。

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 浮図田の傍ら、境内の片隅に、何やら丸い穴が開いた木の板が立っていました。
 「振りかえって見上げて下さい」とあったので、振りかえってみたら・・・。

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 本堂(極楽堂)の西側の屋根と、全室南側の屋根の瓦の一部が、他の部分と比較して色目が異なり、さらに葺かれ方も異なっていました。
 なんとこの部分の屋根には、飛鳥時代からの古瓦を集めて使用しているそうです。
 葺き方も他の部分は瓦が重ならないように葺かれているのに対し、この部分だけは重なり合うように葺かれています。

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 こちらは「弁天社」、弁天さまのお社は水辺にあるイメージが強いのですが、こちらは緑生い茂った中にたたずんでいました。

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 禅室の横(西の方角)も濃い緑に包まれています。
 緑に埋もれてうっかり見逃してしまったのですが、実はこの写真の奧の方、突き当たりには「役行者(えんのぎょうじゃ)像」があります。
 役行者は修験道の開祖とされており、元興寺において孔雀明王の呪法を学んだと伝わっているそうです。

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 役行者像の背後には、浮図田に並べられている石塔が積み上げられていたという「石舞台」があります。
 訪れた時は、蓮の鉢植えが並んでいました(残念ながら花を見ることはできませんでした)。

 奈良市の観光スポット「ならまち」の中心にある「元興寺」、思いかけず見どころがいっぱいで、色々な写真を撮影することができました。
 徒歩圏内には興福寺、東大寺、春日大社などもありますので、奈良観光の際は立ち寄ってみてはいかがでしょうか。


 基本データ
 名称:元興寺
 住所:奈良県奈良市中院町11番地
 拝観時間:午前9時~午後5時
     (受付午後4時半まで)
 拝観料:大人500円
     (秋期特別期間中600円)
     中学生・高校生:300円
     小学生100円
 電話:0742-23-1377

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posted by ウィロー at 11:00 Comment(0)寺社・仏閣日記    

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