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 「虚空蔵菩薩」をご本尊とし、「嵯峨の虚空蔵さん」として親しまれている「法輪寺」の紹介です。

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 こちらは阪急 嵐山駅構内にあった案内看板。法輪寺は、この駅を出て西(左手)へと進み、突きあたりを右手へと進むと、徒歩5分ほどで到着します。
 看板にある「十三まいり」とは、数え年13歳に成長した男女が、13歳の厄難を払い智恵を授けていただけるように虚空蔵菩薩に祈願する参詣行事です。平安時代、幼くして帝位についた清和天皇が数え年13歳になった折、成人の証として法輪寺で勅願法要を催したことがはじまりだと言われています。
 「難波より 十三まゐり 十三里 もらひにのほる 智恵もさまざま」という歌をご存じの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

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 法輪寺は真言宗五智教団の京都本山で、創建は713年。時の元明天皇の勅願により、行基の手によって「葛井寺(かずのいでら)」として建立されたと伝わっています。
 その後、829年に弘法大師(空海)の弟子である道昌(どうしょう)が中興して、ご本尊である「虚空蔵菩薩」を安置、874年には伽藍が整えられ「法輪寺」と寺号が改められました。

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 入口は濃い緑に包まれていました。
 嵐山の中心部からは渡月橋を渡った先にあるためか、人の気配はほとんどありません(時期的なものもあるとは思いますが)。

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 門をくぐると、目の前には長い階段が続いていました。
 かなりの段数があるように見えますが、一段一段はそれほど高くないため、上り下りは思ったほど大変ではありません。

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 石段を別の角度からもう1枚。
 訪れた日の天気はあまり良くはありませんでしたが、それでも木々の間から射しこむ光と重なり合った緑の葉のコントラストが美しい風景を作りだしていました。

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 門の先右手には、小さな塔と人の肖像のレリーフがありました。小さな塔は「電電塔」というそうです。
 法輪寺の境内には、鎮守社として「電電宮」か奉祀されており、それにちなんで電気電波関係者の霊を顕彰する「電電塔」が建てられたとか。
 掲げられている肖像の人物は、電気研究者の代表としてエジソン、電波研究者の代表としてヘルツ。どちらも知らない人はいないだろう有名人ですね。

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 「電電宮」は石段の途中、左手にあります。
 法輪寺では、道昌が行った「求聞持法(ぐもんじほう)」の満願の日に、明星が天空より降りそそいで、虚空蔵菩薩が来迎したと伝えられています。
 明星は虚空蔵菩薩の化身であり、象徴であるとされており、明星天子を本地仏として「電電明神」を主神とする「明星社」が祀られたそうですが、明星社は江戸時代「禁門の変」にて焼失してしまったとか。
 その後、昭和に入ってから、電気電波関係業界の発展を祈願するため「電電宮」として新たに奉祀されたそうです。

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 石段をのぼりきると、正面に本堂が見えます。

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 本堂の手前左右には、狛犬ならぬ狛牛と狛虎が寝そべっていました。
 虎が大きく口をあけていますので、「阿吽」の「阿」の方ですね。
 「何故、牛と虎?」と思ったのですが、調べてみると、ご本尊の虚空蔵菩薩は丑年・寅年生まれの守り本尊として信仰を集めているそうです。

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 さらには、羊の像もありました。
 羊は虚空蔵菩薩の化身または使いと言われており、この羊をなでることで智恵を授かることができるそうです。訪れた際は、ぜひなでてみてください。

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 本堂に向かって左手には、緑に埋もれた「多宝塔」が建っていました。
 周囲は透明の板が囲まれており、鮮やかだったであろう朱色も薄くなってはいましたが、その佇まいは周りの風景にしっくりと馴染んでいます。
 鳥のさえずる声を聞きながら、のんびりと新鮮な空気を堪能するのも良さそうです。

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 帰りも長い石段をくだっていきます。やはり緑に包まれた参道の雰囲気はたまりません。
 秋の紅葉の季節も、美しいもみじを見ることができそうです。

 今回は表の方からうかがいましたが、実は渡月橋を渡って進んだ突き当たり付近に、法輪寺さんの裏参道があります。
 次回訪れた際はそちらの方からお邪魔して、また今回は紹介しなかった嵯峨嵐山を一望した風景も紹介できたらと思っています。


 基本データ
 名称:法輪寺
 住所:京都市西京区嵐山虚空蔵山町68
 祈祷受付時間:午前9時~午後4時
 電話:075-862-0013