鳥取県の日本海寄り、兵庫県との県境近くにある岩井温泉は、周囲の5つの温泉(岩井温泉、鳥取温泉、吉岡温泉、浜村温泉、鹿野温泉)とともに「いなば温泉郷」を構成する温泉です。
いなば温泉郷の一番東に位置する岩井温泉は、1300年の歴史を持つ静かな温泉地。
その共同浴場がこちら、「ゆかむり温泉」。

岩井温泉は、「大地の公園」を意味しユネスコに登録されている、「山陰海岸ジオパーク」の一部でもあります。
お高いお宿もある岩井温泉ですが、ゆかむり温泉さんはあくまでも共同浴場。入浴料も320円と格安です。

岩井温泉の様子。お宿が数軒の、静かな温泉地です。
個人的にはあまり賑やかな温泉地には近寄らないので、こちらはいずれは泊まってみたい場所の一つです。

ゆかむり温泉さんの外観。駐車場も施設周辺に完備されています。
(1枚目の写真の右下に、駐車場の位置が映っています)


1300年の歴史を持つ温泉地の共同浴場というと、さぞかし歴史があるのだろうと勝手に思っていたのですが、かなり新しい造りだったので少しびっくりしました。
調べてみたら新築オープンは2002年のことらしく、なるほどなと納得した次第です。

温泉のデータ
源泉名:岩井温泉 第一泉源
泉質:カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉
源泉温度:49.0℃
pH:7.3
成分総計:1リットルあたり1.74g
お湯の印象:無色澄明、わずかな源泉臭、弱めのツルツル感
お湯の使い方
加温:無し
循環:無し
消毒:無し

さて、温泉の名前になっている「ゆかむり」について少し。
「ゆかむり」とは「湯かむり」のことで、頭に手ぬぐいをのせ柄杓で湯を被る(かむる)という、岩井温泉独特の風習。
その風習に欠かせないのが、写真にある「湯かむり唄」。長いものでは100番にもなる長唄の一部とのことでした。

ゆかむり温泉さんは内湯のみ、男女別の(おそらく)固定浴室。
内湯には湯船が2つあり、四角の方がややぬる湯、丸形の方がややあつ湯です。壁に描かれている壁画は、湯かむりの風習を描いたもの。

かけ湯は、ぬる湯の一部を使います(写真の右下)。
ぬる湯とは言いますが、湯温は42度くらいとかなり熱めです。
さっぱりしているお湯なので熱めでも大丈夫だとは思いますが、それでも暑い夏の盛りなどには少しキツく感じるかもしれません。

丸形の浴槽はさらに高く、43度以上。
お湯のコンディションはこちらの方がいいようで、硫酸塩泉の源泉臭を少し感じました。
シンプルな浴室ですが源泉掛け流しで湯使い良し、入浴料320円、さらに午前6時から営業とまさに「共同浴場の鑑」。
近くを訪れた際にはひとっ風呂、いかがでしょうか。
基本データ 名称:ゆかむり温泉 住所:鳥取県岩美郡岩美町岩井521 営業時間:午前6時~午後10時 入浴料:大人320円 小学生160円 休業日:年中無休 電話:0857-73-1670 |
この記事へのコメント
モノノフ
ウィロー
私も本来はぬる湯好きなのですけど、こういった公衆浴場や銭湯などでは熱い湯が恋しくなる派です。
値段設定を見ても地元の方向けだと思いますので、旅行者はさっと入ってさっと出るというのが粋ではないかと。