高松塚古墳壁画 修理作業室公開、次回は9月の予定

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 7/20(土)~7/26(金)、奈良県明日香村にある、国宝「高松塚古墳壁画」修理作業室の第26回公開が行われました。

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 高松塚古墳といえば、有名なのはこちらの色鮮やかな壁画「西壁の女子群像」です。教科書などにも掲載されていますので、「飛鳥美人」という名前でご存知の方も多いのではないでしょうか。

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 高松塚周辺地区の地図です。修理作業室公開の受付は、セミナールームのすぐ横で行われます。
 高松塚古墳を紹介する「高松塚壁画館」そして「高松塚古墳」自体は、真ん中を走る県道209号を渡った場所にありますので、ちょっとした散歩にぴったりです。
 徒歩・自転車なら、道路を渡らずに短い地下道を使って行き来ができます。

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 今回は北の入口からお邪魔しました。上の地図でいうと、右端中央部分の道路です。
 車・バイクは進入禁止、徒歩と自転車はこの場所から入ることができます。

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 途中の道はほどよくくねくねと曲がっており木陰も多くて、風を感じながら走れるサイクリングにもぴったりです。

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 セミナールームの前にある、修理室公開の受付テントです。
 見学は事前申込制で、公開日の約1ヶ月前から約1週間ほど第一次応募の受付が行われ、文化庁のホームページから申し込めます。第一次応募の後、まだ枠が空いている場合は第二次応募が行われます。

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 受付が終わると入館証を渡されますので、首から提げて時間まで待ちましょう。

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 受付テントのすぐ近くには「飛鳥歴史公園館」もありますので、時間に余裕があったらゆっくりと見てまわれます。
 中には、明日香村周辺の史跡などがどこにあるのか一目でわかるジオラマや展示パネルがあるので、観光の参考になると思います。

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 修理作業室の見学の流れは、「受付」→「セミナールームで案内動画を視聴」→「修理作業室へ移動」→「作業室の見学(10分)」→「アンケート」→「解散」となっています。所要時間は30分ほどです。
 セミナールームを含めて、修理作業室の見学が終わるまでは写真撮影などができませんので、この後はパンフレットの写真なども使いながらご紹介します。

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 こちらが「高松塚古墳」、発掘調査の成果などをもとに、築造当時の姿に復元したものです。
 高松塚古墳は、7世紀末から8世紀の初め頃に作られたとされています。
 1962年(昭和37年)頃、村人がショウガを貯蔵しようと墳丘南側に穴を掘ったところ、穴の奥に擬灰岩の四角い切石を見つけたことが、発見に発端になったそうです。

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 高松塚古墳の前に広がる「星宿広場」です。こちらでは、自然の石を配置して星宿(星座)の一部を表現しています。
 木々の間に見える墳丘が高松塚古墳、夜に星宿広場から古墳の北の上空を見上げると、北極星を中心にまわる色々な星座を見ることができるそうです。

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 こちらは、1972年(昭和47年)の発掘調査において、日本で初めて発見された石室内に描かれた壁画の配置図です。
 壁には色鮮やかな男女群像や青龍、白虎、玄武、日・月像が描かれており、さらに天井には星宿を見ることができます。残念ながら、南の壁に描かれていたと考えられる朱雀は、盗掘の際に破壊されたと考えられており、現在は確認することができません。
 
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 国宝「高松塚古墳壁画」です。パンフレットからお借りしました。
 当初、壁画は発見当時のまま非公開で現地保存することになったそうですが、2004年(平成16年)には雨水の浸入やカビの発生などにより壁画の退色・変色が進んでいることが明らかになりました。
 また、人が入りこんだことによる環境変化を原因とした劣化も懸念されたため、2005年(平成17年)に石室ごと取り出して修理することが決定したそうです。
 実際に墳丘から石室が取り出されたのが2007年(平成19年)、現在も修理作業が進められています。

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 今回見学した「修理作業室」のレイアウトがこちら、広くはない(むしろ狭い)見学者用通路から大きな窓越しに修理室内を見ることになります。
 オペラグラスを貸し出してもらえますが、正直なところ一番奥に置いてある、石室天井部分はほとんど見えません。
 スタッフが数名待機してくれていますので、見学時間中だったら、色々と質問することもできます。
 現在、修理はほぼ終わりに近づいていて、今はカビの除去作業を中心に行っているとか。今年度中には修理作業が完了する見込みだということなので、今後どのように管理していかれるのか、興味深く見守っていきたいと思います。

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 高松塚古墳の近くには、「高松塚壁画館」があります。
 中は撮影禁止だったため、こちらもパンフレットの写真から。
 こちらには、石槨内部の模型と、壁画の忠実な模写・模造が展示されています。
 残念ながら、「キトラ古墳壁画体験館 四神の館 地階展示室」ほどのボリュームはなく、また入館料も必要となりますが、見ておいて損はないと思います。

 2019年現在、「高松塚古墳壁画修理作業室」の公開は年に4回(1月・5月・7月・9月)行われています。公開開始日はキトラ古墳壁画と同じ日ですが、キトラ古墳壁画が1回あたり約1ヶ月公開されるのに対して、高松塚古墳壁画修理作業室の公開は約1週間と短い期間です。
 見学を検討される場合は、日程にご注意ください。
 なお、いまのところ、第27回が9/21(土)~9/27(金)、第28回が1/18(土)~2/24(金)で予定されています。
 興味がある方は、公開日の約1ヶ月前から約1週間ほど行われる第一次応募を忘れないようにしましょう。


 基本データ
 名称:高松塚壁画館
 住所:奈良県高市郡明日香村大字平田439
 開館時間
  :午前9時半~午後5時(最終入館午後4時半)
 休館日:12/29~1/3
 入館料:大人300円/大学生・高校生130円
     中学生・小学生70円
 電話:0744-54-3340

 基本データ
 名称:高松塚古墳壁画修理作業室
 住所:奈良県高市郡明日香村大字平田540
   (国営飛鳥歴史公園内)
 公開時間:事前申込み時間指定制
 見学料:無料
 電話(文化庁文化財部古墳壁画室)
    :03-5253-4111

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posted by ウィロー at 11:30 Comment(0)観光・街歩き日記   

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